寄 稿 | 矢口新先生と「電気試験所ティーチングマシン」 | 工業技術院電子技術総合研究所 田村浩一郎 |
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草創期のCAI端末機器の開発に参加して | 元(株)エルモ社取締役 可知賢次郎 |
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矢口新先生とCAI システム研究 | NECソフトウェア(株)教育システム部長 小荒井 順 |
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座談会 | コンピュータリテラシー学習システムの開発及び教育実験をめぐって 開発、実践に参加した富山県諸氏 (明瀬、加賀谷、杉本、墓田、土生居、松本、水島、盛野、山室、米島) |
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解 説 | 能力開発工学センター事務局長 小澤秀子 |
行動=形成の矢口教育学は、社会の変化に敏感に反応して、新しい技術・機器を取り入れた学習システムの研究開発と、変化する社会が要請する新しい行動の形成に積極的に取り組んできた。本巻は、社会の変化に対応する矢口教育学の活動モデルとして、昭和40年代から50年代にかけて展開されたコンピュータにかかわる学習システムの研究開発とその実践をまとめた。
第1部では、この20余年間のコンピュータの小型化・高性能化が、生産・流通・生活という社会の仕組みを劇的に変え、その結果コンピュータを使いこなすという新しいリテラシーが要請されてきたことに対して、矢口教育学がいかなる対応をしたかをまとめたものである。ここで開発されたリテラシー教育システムは、探究行動と同じく富山県で教育実験が行われた。巻末には、学習システムの開発および教育実験に携わった先生方の座談会が載せてある。
第2部では、大量情報の高速処理というコンピュータの特性を、行動形成の学習システムの中でどう有効に使うことができるかということに関するわが国最初の基礎研究からマルチメディアを使った行動形成の研究(これらの研究は、科学技術庁特別研究促進調整費による)に至るものをまとめたものである。これらの研究は、歴史的に高い評価を受けており、初期の頃からこの研究にかかわりの深い3人の方(工業技術院電気試験所・エルモ社・NEC)から歴史的な意味についての寄稿をいただき巻末に収めてある。