1976年~
本学習システムは、1976年大日本製糖(株)のオートメーション運転へのシステム転換にともなう従業員教育の委託を受けた際に、電気・制御の入門教育として開発した学習システムが土台となっている。
その後、使い勝手や、製造システムの発展進化等に合わせた変更や追加を経て、現在のシステムに至っている。
製造システムの運転やその調整を仕事とするものの基本的能力としては、「電気に仕事をさせる」ということに対する基本的センスと、「全体システムを把握するセンス」が必要である。センスというのは、知識ではなく、行動の場で働く感覚である。
行動のセンスは、抽象的な知識として与えられるのでは育たない。行動する中で対象を処理するという方式をとらなければならない。基礎的な理論といわれることも、技術といわれるものも、実際の場で把握されるのが望ましい。
しかし、学習者にいきなり現実の複雑な場を与えることは、思考の混乱を招くので、現実性を持ちながら、それが単純な形で現れるシミュレーションの場で学習させることが必要である。そうした考えから生まれたのが、この「電気・シーケンス制御入門」の学習システムである。
本学習システムの特徴は、講義による知識的学習というものが一切ない。
学習は、写真のようなプログラム・テキストを使って学習者が主体的に探究的に進めていく。
テキストには、回路設計の課題とそれを考えていく筋道やヒントが載っているので、それを手がかりとして行動していく。
学習は1人でもできるが、2~4人のグループで実施するのが望ましい。グループのメンバーが助け合い協力し合って調べ考え、回路設計していくことが、視野を広げ思考を深め、学習を効果的に進める。
また、仕事の場で必要な表現力や協調的な姿勢をも育てることになる。
学習は、基本的には学習者が主体的に進めていくものであるが、学習を展開させるために、数グループに1人のインストラクタがつくのが望ましい。インストラクタの仕事は、早く正しい結果に到達させるということではなく、いかに学習者が自分の目で対象(とその現象)を観察してとらえるか、いかに自分の頭で考え行動していくようにするか、そのための援助である。またグループが協力し合って学習を進めていくようにするための、行動のしかたを指導することである。
★この学習システムの活用例については、 教育支援 の ■大日本製糖 ■リコー ■カルビー ■第一糖業の各ページをご覧ください。
■電気による制御入門
電気に仕事をさせるということについての基本センスを、実際に回路を作り、電気を働かせることを通じて身につける。 学習時間 約6時間程度 |
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ランプ1つの回路から始まって | |
5,6時間でこんなところまで | |
《 電気による制御入門 テキスト目次 》1.電気を働かせて仕事をさせる(電気の仕事と回路の形) 2.リレーによって回路をコントロールする |
■シーケンス制御入門
シーケンス制御とは、時間の経過に従って処理していく方式のことで、家庭の電気製品から工場の産業ロボットや発電所まで、あらゆるところで自動化省力化のために活用されている。この制御方式を働かすための基本センスを、実際にシステムを作っていくことを通して、自分の物とする。 学習時間 約12時間程度 |
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エアシリンダーを調べるところから | |
3段積み制御まで | |
《 シーケンス制御入門 テキスト目次 》1.シリンダーを働かせる回路をコントロールする |
■プログラマブル・コントローラ(PC)による制御入門
目に見えないプログラマブルコントローラ(PC)の働きを、実際に回路を組み、結果を整理していくことによりつかむ。 学習時間 約12時間程度 |
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ランプをつける回路を、プログラマブルコントローラ(PC)を使って実現する | |
2本のシリンダーを動かす回路を設計し、プログラムを作る | |
《 プログラマブル・ コントローラ(PC)による制御入門 テキスト目次 》1.プログラマブルコントローラを使った回路の基本 |