地ごしらえ |
下刈り |
植えつけ |
枝打ち |
1977年
本システムは、林野庁より委託されて造林作業に従事する人々の教育をするために中之条営林署の専門家の方々の協力を得て、開発したものである。
この造林作業訓練システムの目標は、「造林という長期にわたる樹木の育成の仕事に対する愛情を形成するとともに、科学的な知見に基づく正確安全な作業能力を形成すること」と規定した。基本的には、初心者に対するものとして設計したが、コースの構成の仕方を工夫することによって、既に造林作業の経験のあるものに対しても、利用することができるように考慮した。
林業関連の教材は、開発後長期に亘って、沼田林業機械化センターにおける年間約250名の研修に用いられているほか、海外からの受け入れ林業技術者にも英文にして使用されている。また一部は、JICAを通じてミャンマー、インドネシアなどでも使われた。
この学習システムでは、講義を聞くというような場は設けていない。映像を見たり、作業をしたり、話し合ったりして学習を進めるように構成してある。学習のガイドはテキストの形をとっているが、これは読んで覚えるものとして作成したものではない。学習行動の手引きとして作成したものである。
学習は、7つのユニットに分けて構成してある。各ユニットにはそれぞれ多くの映像教材を用意してある。各ユニットで学習する行動の全体像と、その行動のポイントをつかむためのものである。全体像と行動のポイントを、映像教材でつかんでから具体的な実習に入る。
作業のカンとコツの形成には、他人の行動を分析的に見るということが大きな効果を上げる。映像教材は、そのような分析活動を行うように作成している。
技術・技能の習得は社会的な形で行われるのが望ましい。特に造林作業は多くの場合数人での共同作業として行われることが多いので、学習の場もグループの中で切磋琢磨して、共同して技能向上を図るようにするのが望ましい。
交代して動作を行い、比較しあい、批評しあいながら学習できるように教材を配慮してある。
I 造林の仕事 | 造林の仕事の全体を把握し、かつ、この仕事に対する心情を形成する。 |
II 身支度の点検 | 正確安全な作業の土台としての正しい身支度に対する心構えを形成する。 |
III 地ごしらえ作業 | 地ごしらえ作業に対する基本的な態度・理解と、その作業の「コツ」を身につける。 |
IV 苗木を植えつける作業 | 苗木に対する愛情ある取り扱い方と、作業のコツを身につける。 |
V 木を育てる作業 | 木を育てる作業である「保育」に関する基本的な態度心情を形成するとともに、作業のコツを身につける。 |
VI 道具の使い方 | 道具の扱い方に対するカンとコツを養うとともに、作業の安全に対する態度を形成する。 |
VII 道具の手入れ | 道具の手入れに対するカンとコツを身につけるとともに、技能人としての道具に対する心構えを養う。 |
ユニットI 造林の仕事 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.1 造林の仕事 【17ステップ】 |
造林の仕事(1)~(5) (1)木を育てる場をつくる (地ごしらえ) (2)苗木を植えつけるまでには いろいろな準備がある (3)苗木を植えつける (4)一人立ちできるまで保護してやる (5)節のないまっすぐな木にするために |
なし | なし |
ユニットII 身支度の点検 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.2 身支度の点検 【12ステップ】 |
なし | ナタ のこ 手袋 保安帽 バンド (鎌砥ぎの道具) (腕カバー) (保護めがね) (応急手当薬品) |
なし |
ユニットIII 地ごしらえ作業 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.3 地ごしらえ作業 【44ステップ】 |
更新の基本作業(1)~(3) (1)地ごしらえ その1 〈枝などの切断や処理〉 (2)地ごしらえ その2 〈筋の作り方〉 (3)地ごしらえ その3 〈巻き落とし作業〉 |
下刈鎌 ナタ のこ 筋決め用ポール 2本以上 まくり棒2本以上 |
実習場 |
ユニットIV 苗木を植えつける作業 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.4 苗木を植えつける作業 【64ステップ】 1.あらまし |
更新の基本作業(4)~(8) | ||
2.仮植え作業 | (4)植付け その1 〈土仮植〉 (5)植付け その2 〈水仮植〉 |
くわ 苗木 苗袋 印つきのロープ メジャー |
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3.植付け作業 | (6)植付け その3 〈苗木の扱い〉 (7)植付け その4〈基本の植え方〉 (8)植付け その5〈ていねいな植え方〉 |
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4.間隔の取り方 | |||
ユニットV 木を育てる作業 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.5 木を育てる作業〈保育〉 【101ステップ】 1.保育のあらまし 2.幼年期の保育作業 (植えてから5,6年迄) |
保育の基本作業(1)~(9)
(1)根ぶみ、土伏せ |
唐ぐわ 起こし棒 下刈鎌 除鎌 あら縄 枝打ち用ナタ 枝打ち用鎌 枝打ち用のこ (クリントンのこ) (新勝流ナタ) (新勝流鎌) |
実習場(現場に設ける) |
3.少年期の保育作業 (7,8年~13,4年) |
(2)下刈り その1 (3)下刈り その2 3年目の例 |
実習場(現場に設ける) |
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4.青年期の保育 〈枝打ち〉 |
(4)除伐 (5)つる切り その1 (6)つる切り その2 |
実習場(現場に設ける) |
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(7)倒木起こし | 縄の結び方練習用立木 起こし方練習用倒木or代用物 |
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(8)枝打ち その1 のこぎりの使い方 (9)枝打ち その2 ナタの使い方 |
実習場(現場に設ける) 枝の切り方練習木 (非植栽木や、枝打ち時期で ない木でも可) 力技判別練習木 | ||
ユニットVI 道具の使い方 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.6 鎌の使い方 【47ステップ】 1.下刈鎌の使い方 (地ごしらえ鎌,草鎌) (1)基本の構え (2)基本の振り方 (3)斜面で刈り込む |
道具の使い方(1) 下刈り鎌の使い方 |
下刈鎌
除伐鎌 |
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2.除伐鎌(木鎌)の使い方 (1)使い方の基本 (2)植栽木をよけて刈るときの使い方 (3)斜面の構えと連続動作の練習 |
道具の使い方(2) 除伐鎌の使い方 |
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No.7 のこの使い方 【15ステップ】 1.倒木を切る場合 2.立木を切る場合 |
道具の使い方(3) のこの使い方 |
のこ | 構え用シミュレータ 立木切口モデル 練習用立木,倒木(現場) |
No.8 ナタの使い方 【10ステップ】 |
道具の使い方(4) ナタの使い方 |
ナタ | 構え用シミュレータ 練習用立木,倒木(現場) |
ユニットVII 道具の手入れの仕方 |
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テキスト教材 | 映像教材 | 道具教材 | シミュレータ教材,実習場 |
No.9 鎌のとぎ方 【33ステップ】 1.刃の固定の仕方 2.砥石の使い方 3.鎌とぎの実際 |
道具の手入れの仕方(1) 鎌のとぎ方 その1 道具の手入れの仕方(2) |
下刈鎌 除伐鎌 砥石 刃をのせる台 |
研ぎモデル |
No.10 ナタのとぎ方 【33ステップ】 |
道具の手入れの仕方(3) ナタのとぎ方 |
ナタ 砥石 刃をのせる台 |
研ぎモデル |
No.11 くわのとぎ方 【25ステップ】 1.グラインダーを使ってとぐ 2.ヤスリを使ってとぐ |
道具の手入れの仕方(4) くわのとぎ方 その1 -グラインダーによる- 道具の手入れの仕方(5) |
くわ グラインダー グラインダーをセットする棒 ヤスリ くわをのせる台 |
研ぎモデル ヤスリ研ぎ グラインダー研ぎ |
No.12 のこの目立て 【45ステップ】 1.あさり出し |
道具の手入れの仕方(6) のこの手入れ その1 -あさり出し器の使い方- 道具の手入れの仕方⑦ のこの手入れ その2 -刃槌によるあさり出し- |
のこ あさり出し器 ヤスリ のこを支える切り株 ノギス |
研ぎモデル 研ぎ終了モデル 試し切り用の木 |
2.なげしとぎ (やすりかけ) 3.のこの目立ての実際 |
道具の手入れの仕方(8) のこの手入れ その3 -なげしとぎ- |
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【合計425ステップ】 |