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電気・シーケンス制御入門シリーズ

■電気による制御入門

■シーケンス制御入門

■プログラマブル・コントローラ(PC)による制御入門

 

開発年

1976年~

開発の経緯とねらい

 本学習システムは、1976年大日本製糖(株)のオートメーション運転へのシステム転換にともなう従業員教育の委託を受けた際に、電気・制御の入門教育として開発した学習システムが土台となっている。
その後、使い勝手や、製造システムの発展進化等に合わせた変更や追加を経て、現在のシステムに至っている。
 製造システムの運転やその調整を仕事とするものの基本的能力としては、「電気に仕事をさせる」ということに対する基本的センスと、「全体システムを把握するセンス」が必要である。センスというのは、知識ではなく、行動の場で働く感覚である。
 行動のセンスは、抽象的な知識として与えられるのでは育たない。行動する中で対象を処理するという方式をとらなければならない。基礎的な理論といわれることも、技術といわれるものも、実際の場で把握されるのが望ましい。
 しかし、学習者にいきなり現実の複雑な場を与えることは、思考の混乱を招くので、現実性を持ちながら、それが単純な形で現れるシミュレーションの場で学習させることが必要である。そうした考えから生まれたのが、この「電気・シーケンス制御入門」の学習システムである。

学習の進め方

●プログラムテキストによる、主体的探究的学習

 本学習システムの特徴は、講義による知識的学習というものが一切ない。
 学習は、写真のようなプログラム・テキストを使って学習者が主体的に探究的に進めていく。
 テキストには、回路設計の課題とそれを考えていく筋道やヒントが載っているので、それを手がかりとして行動していく。

写真をクリックすると大きくなります。

●グループ学習

 学習は1人でもできるが、2~4人のグループで実施するのが望ましい。グループのメンバーが助け合い協力し合って調べ考え、回路設計していくことが、視野を広げ思考を深め、学習を効果的に進める。
 また、仕事の場で必要な表現力や協調的な姿勢をも育てることになる。


大日本製糖(現関門製糖)での学習風景

現システムでの学習風景(電気入門)

●インストラクタ

 学習は、基本的には学習者が主体的に進めていくものであるが、学習を展開させるために、数グループに1人のインストラクタがつくのが望ましい。インストラクタの仕事は、早く正しい結果に到達させるということではなく、いかに学習者が自分の目で対象(とその現象)を観察してとらえるか、いかに自分の頭で考え行動していくようにするか、そのための援助である。またグループが協力し合って学習を進めていくようにするための、行動のしかたを指導することである。

★この学習システムの活用例については、 教育支援 の ■大日本製糖 ■リコー ■カルビー ■第一糖業の各ページをご覧ください。

学習の内容構成

■電気による制御入門

 電気に仕事をさせるということについての基本センスを、実際に回路を作り、電気を働かせることを通じて身につける。

学習時間 約6時間程度
(プログラムテキスト2冊)

シーケンス
ランプ1つの回路から始まって
シーケンス
5,6時間でこんなところまで
シーケンス シーケンス

《 電気による制御入門 テキスト目次 》

1.電気を働かせて仕事をさせる(電気の仕事と回路の形)
 1-1 電源の使い方と電気の働き
  (1)電源と電気の強さを調べる
  (2)ランプをつける道(回路)をつくる
  (3)回路を流れる電流
  (4)仕事に必要な電流の量
  (5)安全装置 -ヒューズの働き-
  (6)回路を図で表す
  (7)電気の回路をきる -スイッチの働き-
 1-2 電気で磁力を出して仕事をさせる(リレー)
  (1)人間の力を電気の力におきかえる工夫
  (2)電磁石を利用したスイッチ

2.リレーによって回路をコントロールする
 2-1 リレーによる回路の保持
  (1)自己保持回路をつくる
  (2)自己保持のからくり
  (3)接点と負荷の位置関係
  (4)自己保持の解除
  (5)自己保持回路の一般形
 2-2 タイマによる回路のコントロール (時計とリレーの結合)
 2-3.カウンタによる回路のコントロール (計数器とリレーの結合)

■シーケンス制御入門

 シーケンス制御とは、時間の経過に従って処理していく方式のことで、家庭の電気製品から工場の産業ロボットや発電所まで、あらゆるところで自動化省力化のために活用されている。この制御方式を働かすための基本センスを、実際にシステムを作っていくことを通して、自分の物とする。

学習時間 約12時間程度
(プログラムテキスト2冊)

シーケンス
エアシリンダーを調べるところから
シーケンス シーケンス
3段積み制御まで
シーケンス シーケンス

《 シーケンス制御入門 テキスト目次 》

1.シリンダーを働かせる回路をコントロールする
 1-1 一往復運動をする回路のコントロール
  (1)空気シリンダーの仕組み
  (2)シリンダーを動かす力
  (3)空気の回路を切換える-電磁弁-
  (4)切換えのしくみ
  (5)自己保持回路による一往復運動
 1-2 永久往復運動をする回路のコントロール
  (1)オートメーションと動作のくり返し
  (2)往復運動をくり返す回路
  (3)始動・停止機能を付加する
  (4)ランプによる「稼働中」表示
  (5)多様な往復運動-タイマ利用の回路-
  (6)多様な往復運動-カウンタ利用の回路-
2.2本のシリンダーを働かせる回路をコントロールする
 2-1 シリンダーを働かす順序
  (1)2本のシリンダーの関係をつかむ
  (2)タイミングの設計
 2-2 時間・回数を決めたシリンダー動作
  (1)タイマを利用した2本のシリンダーの動作
  (2)カウンタを利用した2本のシリンダーの動作

■プログラマブル・コントローラ(PC)による制御入門

 目に見えないプログラマブルコントローラ(PC)の働きを、実際に回路を組み、結果を整理していくことによりつかむ。
 「電気による制御入門」「シーケンス制御入門」の学習を土台として、考えていくようになっている。

学習時間 約12時間程度
(プログラムテキスト2冊)

シーケンス
 ランプをつける回路を、プログラマブルコントローラ(PC)を使って実現する
シーケンス シーケンス
 2本のシリンダーを動かす回路を設計し、プログラムを作る
シーケンス

《 プログラマブル・ コントローラ(PC)による制御入門 テキスト目次 》

1.プログラマブルコントローラを使った回路の基本
 1-1 PCの接続と構成
  (1)プログラマブルコントローラ
  (2)PCを調べて接続する
 1-2 リレー回路をPCでつくる
  (1)入出力用リレー
  (2)回路図をプログラムにする
  (3)PCの操作
  (4)プログラムの修正、再入力
  (5)リレーを含む回路のプログラム
  (6)B接点の扱い
 1-3 PC内部のからくり
  (1)PCの内部
  (2)トランジスタをみる
  (3)ダイオードランプをつける
  (4)トランジスタを働かせる
  (5)ICをみる
  (6)PCの中のプログラム
2.プログラマブルコントローラによる回路のコントロール
 2-1 タイマ、カウンタの働きをPCにさせる
  (1)タイマを使うプログラム
  (2)タイマの動作をモニタする
  (3)タイムチャートを書く
  (4)タイマを2つ使うプログラム
  (5)カウンタを使うプログラム
  (6)タイマとカウンタを使うプログラム
 2-2 PCを使ったシリンダー制御
  (1)目標と設計のプロセス
  (2)1本のシリンダーを動かす
  (3)タイマで前進をおくらせる
  (4)2本のシリンダーを動かす
  (5)シリンダー上3回でシリンダー下を動かす