対 談 | 工場オートメーション化に伴う作業員の転換教育 | 能力開発工学センター所長 矢口新 元大日本製糖(株)技術部次長 安倍晋一 |
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寄 稿 |
矢口方式訓練は、現場に働く人々を真に「知的な存在」 にかえる ~日本綱管(NKK)における事例~ |
元日本鋼管(株)教育部長 奥田健二 |
人間優先の矢口思想に導かれて25年 | 元黒崎窯業(株)副社長 紙谷良夫 | |
矢口新先生に教えられた「教育の本質」 | 黒崎窯業(株)人事部課長代理 吉田政孝 | |
大阪ガス・天然ガス転換事業と調整員2千余名の教育 | 元大阪ガストレーニングセンター所長 佐藤行一 | |
意欲的な保全マンの育成 ~(株)リコー沼津事業所における14年の実践~ |
(株)リコー沼津事業所TPM推進課 南武男 | |
解 説 | 能力開発工学センター事務局長 小澤秀子 |
本巻は、第4巻第1部と同じく変化する社会が要請する新しい能力の開発モデルの一つである。第4巻の場合が、社会全体が要請する基礎能力としての新しいリテラシーの形成であったのに対して、ここでは一つの工場の生産システム(製糖工場)の転換が要請する新しい能力の形成を工場全体の従業員に行うという、限られた場の変化に対応する能力形成のモデルとしてまとめたものである。しかし、そこで問題とされている人間能力は、技術革新時代に普遍的に求められる主体的創造的能力であることはいうまでもない。
本巻のもう一つの特色は、若年から中高年にわたる従業員の一人ひとりが、生きがいを持って仕事に従事することをめざした学習システムの開発モデルを示したことである。これは、第5巻第1部でとらえた「道」形成の現代版の仕事道形成モデルといってもよいであろう。この仕事道はやがて生涯にわたる生き生きとした自己学習につながっていくモデルとして位置づくものである。
巻末には、当時大日本製糖の技術部次長としてプロジェクトの推進に当たった安倍晋一氏と矢口新による対談、また仕事の場と内容は異なるが、仕事に携わる従業員の主体性を育てる教育を実践した5人の方(日本鋼管・黒崎窯業・大阪ガス・リコー)の寄稿文を掲載した。