①コンピュータ基礎編(1970、71年開発)*
②コボル基礎編(1972年開発)
③フォートラン基礎編(1973年開発)
コンピュ-タに関する学習システムの研究は、当センタ-のごく初期からの研究テ-マである。
教育技術の開発を当初の目的としてスタ-トした当センタ-は、当時(1968年)日本で一番早くコンピュ-タによる教育(CAI)の研究に着手したのであるが、その研究をすすめるうち、コンピュ-タが近い将来万人のものになることを予感し、コンピュ-タそのものについての学習がCAI以上に必要なことではないかと認識し、CAI研究開始の翌年からコンピュ-タに関する学習システムの開発に取り組んだのである。
コンピュ-タの学習の内容は、基本的にはコンピュ-タを使う行動をするということでなくてはならない。コンピュ-タを直接操作したり、プログラムを組んだりせず、仕事のどこに使えるかがわかる程度に基本的な性質が捉えられればよいという、例えそういう使い方をする場合であろうとも、コンピュ-タがどんなしくみ、どんなプロセスで仕事をするのかということを捉えておかなければ、適切に使えるようにならないのであり、そのことを捉えるには人間の仕事を分析してコンピュ-タの仕事に翻訳するということを「やってみる」ということが一番の近道である。
ここに紹介する3つの学習システムは、いずれもプログラムテキストの形態をとるものであるが、その「やってみる」ということを実現するのに、それが当時の状況**においては一番ふさわしいものであったからである。
*①は、構案教材によるコンピュ-タリテラシ-のための学習システムの土台になったものである。
②、③は、日本電気(株)の委託を受けて開発したものを手直しし、センタ-版として開発したものである。
**当時は、現在のパ-ソナルコンピュ-タ程度の能力のコンピュ-タ1台が、学校の教室いっぱいの大きさを占めるといった状態で、一人一人がたやすくコンピュ-タを使える状況ではなかった。
タイトル | 内 容 | ステップ数 |
コンピュータ基礎編 | ||
その1.コンピュ-タとは何か | ||
I. コンピュ-タは計算のときどんな符号を使うか | 93 | |
II. コンピュ-タが記憶するとはどういうことか | 62 | |
III. コンピュ-タが計算するしくみはどうなっているか | 200 | |
IV. 計算を自動的に行うしくみはどうなっているか | 109 | |
V. プログラミングとはどういうことか | 24 | |
VI. コンピュ-タをどのように操作するのか | 142 | |
その2.コンピュ-タシステムを使ってどんな仕事ができるか | ||
I. コンピュ-タはどのようにして人間の手の動作のかわりをするか (出力装置のはたらき) |
228 | |
II. コンピュ-タはどんなふうに人間の頭の中の動作のかわりをするか | 176 | |
III. コンピュ-タはどのようにして情報を受けとるか(入力装置のはたらき) | 161 | |
IV. コンピュ-タを働かすにはどうすればよいか(プログラム作成の考え方) | 145 | |
V. プログラミングのプロセスをどのように合理化するか | 139 | |
VI. コンピュ-タにいろいろな仕事をさせるにはどうするか | 254 | |
計 | 1733 | |
コボル基礎編 | ||
I. アセンブリ言語による製表 | 131 | |
II. コボルによる製表の基本(売上表の作成) | 257 | |
その1 売上表のデ-タの行の書出し | ||
その2 売上表の書出し | ||
III. 計算処理を含む製表(商品別売上げ表の作成) | 94 | |
IV. 判断処理を含む製表(会社別売上げ表の作成) | 106 | |
V. 累算、改ぺ-ジを含む製表(時間給工員の賃金計算) | 131 | |
計 | 719 | |
フォ-トラン基礎編 | ||
I. コンピュ-タを働かすために人間はどれだけの準備をするか (アセンブリ言語を使う場合) |
162 | |
II. フォートランによるプログラムの基本 | 155 | |
III. 表題などのプリント | 93 | |
IV. 数の扱い方 | 151 | |
V. 四則演算 | 85 | |
VI. 多数デ-タのくり返し処理 | 169 | |
VII. 判断を含む処理 | 189 | |
VIII. DOループの活用 | 114 | |
IX. くり返し指定の活用(配列記憶) | 112 | |
X. 独立部分のくり返し利用(関数、サブプログラム、サブル-チン) | 210 | |
計 | 1440 |